ラゴス・クールラント連合(一)
朧月夜
そのころ、北の国クールラントでも政変が起こっていた。
国王と王太子が暗殺されたのである。
その首謀者は、誰ともわからなかった。
クールラントでは、国王の孫ジギリスが後継者となった。
しかし、ジギリス・ア・アルヌーは成人にも達していない。
クールラントの実権は、事実上祭祀クーラスに託されたのである。
クールラントでは、祭祀が大きな力を握っていた。
祭祀クーラスはジギリスの後見人となったわけである。
祭祀クーラスはほくそ笑んだ。「これでわたしの治世になる」と。
以前に述べた通り、クーラスはラゴスの首都ラディアの出身だった。
そして、ラゴスの国王アウゼル・ローガンテとも密かにつながっていた。
祭祀クーラスはラゴスの国王アウゼルに密使を送った。
いわく、共同してアースランテに対抗しましょう、と。
「これで世界はどうなるのか。見ものだな」祭祀クーラスは囁いた。
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クールラントの詩