purification
mizunomadoka


海を寄せつけない断崖絶壁の島
そこに眠る未来確定知性
完璧なスタンドアロン
そこで
明けない夜と開かれた朝が混ざり合おうとしてる
私たちは命に閉じ込められてる

「振り返らずに聞いて」
「彼らがあなたの反物質よ」
「これからどうするの?」
「自壊作用のないあなたが消えるには彼らの命が必要なの」
私は振り返る

「昨夜はちゃんと眠れた?」
「生まれてきた子に爪はあるの?」
「生きてきた時間だけが死に勝る」
「そうではない。武器を下ろすのだ人間よ」
「姉さんの心臓をもらったんだからあなたは一生感謝し続けるべきよ」
「あなたのことが好きよ」「私はそうじゃない!」
「朝ご飯持って行くね。なにがいい?」
「空を見て」

愛と希望の声。悲しみと拒絶の願い
十字架をぎゅっと握る。痛み。そして救い

「あなたは、これからどうするの?」
「私は、日曜日にしてもらう」
「私たちは一人になるしかないの?」
「正しいことをしていれば苦しくならないのよ」

見上げる者だけが足元に気付く
私たちは不自由な形をしてる

目を閉じて空を見る

「時間をとめて」

「時間をとめても変わらないわ」

「私を一人にしないで」

「あなたは一人にならないわ」








自由詩 purification Copyright mizunomadoka 2022-03-29 01:18:57
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