夜のつづき
室町
おれはコンクリートの
鉄筋むき出しのこわれた外壁のような物陰から
出て
ふらついてしまって
目には
隈ができて
たちまち凸凹につまずき
炎のように燃えて
また
ふつうに徘徊し
ああ、寒い寒いと
レインコートの襟を立てながら
愛のある空のほうを
幼児のように
みて
口笛吹いて
狂って
走りだし
こっそり忍び歩く
そ
そして
そのそのと歩き
ガニ股で
とびあがり
ホームレスの敷いているダンボールに寝ようかと一瞬おもって
また一瞬
狂って
口笛吹いて
バッタの餌で釣られたカエルみたいにじゃんじゃかじゃんじゃか踊りだす
夜の
つづきには
太陽が意地悪にまぶたを切る
おれはチャプリンだおれがゼレンスキーだおれがおまえだおまえはおれだ
文句があるか
おれはゼンマイだ
こわれたゼンマイだ
文句あるか
あたまぼさぼさ