晩鐘~祈るように、ただ祈るように
ひだかたけし

生活の
営みに密着した
祈りは
もう無いんだよ
神は私たちの普段から
とっくに
姿を消したから
そうして個人は
自由になったから

あゝ晩鐘
根付いた信仰の
その生活
朝陽とともに起き
日の巡りと共に働き
夕に感謝し祈っている
大いなる大地のその祝福を

(わたしは朝陽と共に
眠る者
内奥の光を希求し
掴めぬ光に
朽ちる者)
木霊する
宇宙の深淵に
身を任せ
予感と憧れと郷愁と
認識の底に触れ
震えている

晩鐘の
無垢なる自然を
超出し
神々への認識を
意志せよ
祈るように
ただ祈るように
歓喜とともに
迎え入れよ











自由詩 晩鐘~祈るように、ただ祈るように Copyright ひだかたけし 2022-02-23 18:02:58
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