クシュリーとエインスベル(三)
朧月夜

クシュリーはそのころ、自らの出自を廃して、
貴族として取り立てられようとしてた。つまり、戦士エイソスの妻として。
戦士エイソスは、今ではクールラントの千人隊長である。
その妻であれば、しかるべき立場を与えられるべきなのである。

カラスガラの奴隷という身分を廃して、
クシュリー・クリスティナは貴族の称号を賜った。
それも、戦士エイソスの立場を考慮してのことである。
今や、クールラントには奴隷という身分など存在しなかったのである。

戦士エイソスは、クシュリーが貴族として取り立てられることを喜んだ。
決して、自らの誉れのためではない。純粋に、
クールラントの人々が平穏であることを望んだのである。

その一方で、魔導士ウィザムたちには災難が訪れようとしていた。
エインスベルを始めとして、ウィザムたちは国家に仇なす存在として、
訴追されようとしていたのである。


自由詩 クシュリーとエインスベル(三) Copyright 朧月夜 2022-02-21 19:06:11
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クールラントの詩