クシュリーとエインスベル(一)
おぼろん

クシュリーと戦士エイソスの婚礼が行われていたころ、
魔導士エインスベルは微妙な立場に置かれていた。
すなわち、彼女こそがクールラントに様々な災厄を
もたらした者として、糾弾されつつあったのである。

戦士エイソスは、そのことに歯噛みをした。
「エンスベルこそが、クールラントに幸いをもたらしたものであろうが……」
しかし、その声は民々に伝えられるものではなかった。
クシュリーも進言をした「あなたは、彼女に利用されていたのではないですか?」

「断じてそのようなことはない」戦士エイソスは結語する。
「エインスベルが、単なる英雄として扱われてはいけないのか?」
そこには、戦士エイソスの純情があった。

しかし、クシュリーは言った。「魔導士とは、
 国家に益をなす存在であるべきです、そのエインスベルは、
 果たして本当に国家に益をなす存在であったのでしょうか」と。


自由詩 クシュリーとエインスベル(一) Copyright おぼろん 2022-02-21 19:03:19
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クールラントの詩