森林限界の手前
st
五冠を手にしても
いまだ
森林限界の手前とは
一冠も持たない棋士は
さしずめ
冨士のすそ野にひろがる
樹海をさまよう人か
森林限界とは5合目付近
即ち
八冠すべてを手にしても
ようやく8合目付近で
まだまだ高い山の頂きが
うっすらと見えはじめるだけ
ということを
言いたいのだろう
ファンたちへ
五冠のプレゼントとともに
こんな
「望外」「僥倖」「森林限界」と
次々にくり出す名言をおくり
ファンたちを望外の驚きで満たしたのは
僥倖としか言いようがない
自由詩
森林限界の手前
Copyright
st
2022-02-16 07:06:49