なみだのきせきがひかるたそがれ
秋葉竹
君の眼が
うまれて初めて刺したのは
下校時、風吹く、あの橋の上
夏の君
真白な制服、風を切る
自転車、花火へ行く、って、笑顔で
帰る、って。
うつむく寂しそうな眼に
無言でいるしか無かったあおはる
君と春、
花咲き花舞う、あたたかな
午後の日差しに、手を振るおわかれ
三日月の
桜の道も散り初めて
ひとりがいいって笑顔で泣く君
光る銀、
翼を広げたやさしげな
天使が笑っているような星
ただ好きと
言えなかった日の帰宅路の
橋の上から見おろすオレンジ
傘を差す
君の瞳が濡れていて
涙の軌跡が光る黄昏
なみだのきせきがひかるたそがれ