炎の柱(三)
おぼろん

「あの炎の柱は何だったのだ?」エインスベルは問う。
それに対して、盗賊ヨランは答えた。
「あれは、天界と地界とを結び付ける柱です。
 おそらくエランドルは、幽冥界のどこかにいるのでしょう」

「では、そのエランドルを倒さねばならぬ」
「いけません、幽冥界は常に現世を滅ぼそうとしています」
「では、どうすれば良いのか」
「戦いの時を待つことです」

盗賊ヨランは繰り返す。「いずれ、現世と幽冥界の争いが始まりましょう。
 その時には、あなたは身を潜めているべきです。
 なぜなら、幽冥界はあなたをも滅却する力を蓄えているからです」

「いや、その時にはわたしは幽冥界と戦う。
 そのための魔導でもあるのだ」エインスベルは囁いた。
「くれぐれも、そのお身体と心は大切になさいますように」


自由詩 炎の柱(三) Copyright おぼろん 2022-02-11 10:49:13
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
クールラントの詩