雪の夜
ひだかたけし
訥々と繰り返される心音が冷える大気に反響し
舞い散る雪は別れの予感に打ち震えながら
ゆっくり大地を濡らしていく
誰もが不安と虚無におののく夜
鳴り響くアンセムにすがり付き
自らの行く末を問おうとはしない
完璧に消える時を夢見て
完璧に消える時を夢見て
ひたすら途方に暮れ
自らの心音の響きを聴いている
冷える大気がやがて世界を覆い
すべての曖昧を引き裂くとき
舞い散る雪は覚醒の予感に打ち震えながら
ゆっくり大地を潤していく
自由詩
雪の夜
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ひだかたけし
2022-02-10 19:20:04
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