復讐が終わって(三)
朧月夜

アイソニアの騎士の亡命劇の裏側には、
ハザック・アザンの暗躍があった。
ハザックは、密偵として祭司クーラスに仕えていたが、
実はアースランテの国の密偵でもあったのである。

いわゆる、二重スパイである。
しかも、ハザックはアースランテの国王である、
ハッジズ・ア・ラ・ガランデに直々に仕えていた。
ハザックのもたらす情報は、アースランテにとっても重要だった。

そして、この度のアイソニアの騎士の亡命につながったのである。
「アイソニアの騎士……、名前は何というのか」国王は問う。
「正式な名前は知られておりません。いくつもの偽名を使っているのです」

「なるほど。傭兵稼業ということか。しかし、その強さの源はどこに?」
「アイソニアの騎士には、エインスベルという愛人がいます。
 おそらくは、彼女への愛が、アイソニアの騎士を強くしているのです」


自由詩 復讐が終わって(三) Copyright 朧月夜 2022-02-05 10:22:49
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クールラントの詩