座礁
あらい
いつつけたかわからない傷口が急に、
息をするように濁濁とさせた
特に痛みは感じないのに
意識が揺らいでいくのを、当然のように身を任せて
宵闇に細君は竹林と透かして、
永遠の処女に咥えた火種が萌え突切る前に、
あなたに口移しで分け与えてしまいたい。
轢殺の轍
かおりものこらない 乳母車の靑、
純潔のアサヒに思う 熨せられた屍体の
いじわるなだけの、なみおとが
みなきづかずに通り過ぎるだけの
未来になってしまえば、なんてこともない。
犠牲は必要だった、そんな風に思えばたかがしれている。
捻挫傷、が膿んで、
骨が折れただけでしょう。なんて脆い
惨。しおれた花が ここにきっと
まちばりで潜るように秒針が指す、
じぐざぐ産まれた、温いだけの体温で閉じ
やわらかいガーゼの肌を合わせる
あとかたも、ないだけの。いまにあう、
個々は砂漠の白、
外はみちに開かれるために
両手で作られる手鳩を胸におとして