ふたり、からませ愛
秋葉竹
黒く輝く瞳のなかに僕はみえない
朝、狐のため息みたいな負けおしみ
この大きな都市のひとつの部屋で、ふたり
二度と逢えない悲しい予感に、怯える
夢でみた、狂ったみたいに街中走りつづけ
暴風雨の胸でも、歌いたい愛の結晶
生きるために、清くあろうとした人
傷ついた瞳、少し空の色が混じる
祈りは黄昏が夜になる速度で、祈られ
ここにいてあげるという誓い、思い返し
黒く輝く瞳はあたたかく光る
朝、裸の心をふたりからませ愛
この汚れた都会の小さなベッドで、ふたり
二度と逢えない悲しい予感に、怯える