謹賀新年、おめでとう(一つの見取り図)
ひだかたけし

青空が広がり
底無しの彼方が口を開く

眩暈する、
シンギュラリティが地平に

(ああ、右手の老婆と左手の子供
ハンドルをどちらかに切らなければならないとしたら?)

海百合が揺れ
洋上をたゆたう
太陽は引き続き爆発し
遠く山上ではためく旗を見ている

知性の暴走とラットレース
追いかけ止まない欲望
車輪は廻り続け
倫理は追いやられ木偶の坊と化す

(プログラムはやがて自動生成し
暴走する知性に歯止めはない)

私たちはもはや背景だ
主役の座も脇役の座も失い
ただただ孤独に通行する背景だ

謹賀新年、おめでとう
今、太陽が
果てしなく眩しい






自由詩 謹賀新年、おめでとう(一つの見取り図) Copyright ひだかたけし 2022-01-01 14:29:49
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