謹賀新年、おめでとう(一つの見取り図)
ひだかたけし
青空が広がり
底無しの彼方が口を開く
眩暈する、
シンギュラリティが地平に
(ああ、右手の老婆と左手の子供
ハンドルをどちらかに切らなければならないとしたら?)
海百合が揺れ
洋上をたゆたう
太陽は引き続き爆発し
遠く山上ではためく旗を見ている
知性の暴走とラットレース
追いかけ止まない欲望
車輪は廻り続け
倫理は追いやられ木偶の坊と化す
(プログラムはやがて自動生成し
暴走する知性に歯止めはない)
私たちはもはや背景だ
主役の座も脇役の座も失い
ただただ孤独に通行する背景だ
謹賀新年、おめでとう
今、太陽が
果てしなく眩しい