レ・スペラスとの戦い(一)
朧月夜
クールラントとレ・スペラスとは、幾度も戦を交えたことがある。
レ・スペラスとは、オーク(巨人族)の支配する軍事国家である。
レ・スペラスはクールラントの北東に位置している。
しかし、魔法素子を始めとした資源が枯渇していた。
そのため、レ・スペラスは周辺の国々へと侵攻するのが常だった。
とくに狙われたのは、氷の国であるクールラントである。
一時は、レ・スペラスの軍勢は、
クールラントの首都であるカラスガラを包囲したことさえあった。
レ・スペラスの軍勢の総数は、一万五千にも昇った。
しかし、カラスガラの城壁を崩すことは出来なかった。
なぜならその頃には、かの聖なるカシュクスの巫女がいて、
カラスガラを巨大な結界で覆ってしまったからである。
オークの軍勢の長は、ミハイロ・ギュント・ノベという将軍だった。
彼はあらゆる戦いに勝利したが、クールラントだけは落とすことが出来なかった。
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クールラントの詩