冷夜
ひだかたけし

ひどく冷え切った大地の感触が
次々と押し寄せる波のように
切迫する夜、
わたしはわずかな白飯を掬い
震える口顎の明け閉めを
そっとそっと反復する

鉱物質の肉体と
欲望の魂と
唯一無二の私と

孤独な世界のあらすじが
白い虚空に呑まれていく









自由詩 冷夜 Copyright ひだかたけし 2021-12-18 19:42:10
notebook Home 戻る