溶ける贅沢
ツチヤタカユキ

プラスチックしか食えない人種が、
集うレストランでは、
毎晩、大量のガンプラが、
食卓に並ぶ。

ラブホテル・テロリストのせいで、
木っ端微塵になった寝室。
そこで寝ていた娼婦は、
キーボードのEnterキーに、
生まれ変わる。

悲鳴の審査員が、満点をつけた絶叫。

行き場を無くした精液が、
大量に浮かんでる、無重力空間。

ミルクセーキの脱線事故。

今夜の取組の、決まり手は半冷凍。
氷漬けになった力士が運ばれた、集中治療室。
そこで、溶ける贅沢。

「ポテトチップス食べた後の指で、君に触れたい」
ユニコーンの角に、幾度となく落雷。

天空の城での生活。言霊達の空中散歩。

有機野菜の残骸を、
撒き散らしながら走る、モノレール。

キティーちゃんが戦死して、財産分与で、
大量のオーバーオールを相続。

アトムの妹、ウランの売春。

101匹わんちゃんの亡霊を、
一気に、体に憑依させたイタコ。

透明人間のための、心療内科が、
芝刈り機の中で、産声をあげる。


自由詩 溶ける贅沢 Copyright ツチヤタカユキ 2021-12-17 18:11:45
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