クリスマスプレゼントの罠
st

笑うに笑えない

涙の
クリスマスプレゼント

できるなら
粉々に砕いてしまいたかった

ターコイズブルーの
恋のかけら

その一粒が
こころの隅に残って

チクリと痛む


イブまでに
君がほしいと言った

おそろいの
ターコイズブルーのティーカップ

高かったけど
苦労して貯めこんで

やっとイブに間に合った


街のイルミネーションが
きれいに見える

待ち合わせの公園を
通るたびにチクリと痛む

たった一粒残った
淡い恋のかけら


捨てたり
誰かにあげるには
高すぎる

美し過ぎて
どんなカップもかなわない

使わずに
置いておくことなんてできないと

使ってしまうことまで
計算してのことなのか

紅茶を飲むたびに

いじわるな
君の笑顔を想いだす

これじゃあ
いつまでたっても

忘れる事なんてできないよ


罠とでも思わなきぁ


いられない


一人きりのクリスマスイブだから







自由詩 クリスマスプレゼントの罠 Copyright st 2021-12-13 03:34:14
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