一睡一画
あらい

手垢にまみれた本懐に
難字から顔料を四拍子
ごった返して下準備する
煙雨に打たれている
乗捨てられた群衆は過去の遺物

私は淵に根を下ろした

道徳に夜曲を 遊技にも合わない終点に、
魂と詠んだ喜びと悲しみが、絶唱を授けただけの、ものだ

夏は沈香的にヌメりを眩していた
嗚呼、落ち度のない汲取口から語り継がれる

仮のカタチ

この山裾に降り注ぐ先入観を、
跡に続く獣道は日常の誤りを、
恐ろしい光景を、撫でまわす大義がある。

いい加減な説明で抱きつく暁光を邪魔している、
置き忘れた魂は儲けにもならない、
あやかしにもなりたたない

まぼろしに堕ちたのだと 
今後の戒めを前借する

醜態を演じる桃源郷でしかなく

みるみる、溺れる。
そして力なく瞬きする、
事切れて嘔吐する。

多分 ゆるゆると人格が変わり、くっきりと降伏する。

どうか、

全力で未来に駆け、ゆったりと生きて。
誰もいなくとも 

色艶やかで始末の悪い蓮の処方箋を 
はみ出し提示する
押印をもって。

なら、

暗い一睡一画、
不都合な部分を黒塗りにする、あんたはなんだ


自由詩 一睡一画 Copyright あらい 2021-12-11 17:34:17
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