金魚草の死に目
あらい

 拍子抜けするほど弱い、暴れ出す癇声と、煮詰まった鍋底を浚う
 晩餐は肉体を静思し、絞り染めの疲労感がある。炎熱に筆を取る
 ガサツな渋柿をひとつ。盗み読む白湯から運動場までを切り抜ける疾風。
 まだ余裕の黒い手が事実と関連付ける特効薬を、砂州している。
 
 焦慮に駆られる偽善者か
 
 戸締りを拵え、そのうちひどく喉が渇き、粉雪。屏風倒し、
 料理人は田舎に引っ込み小夜曲を主眼する。
 必要であるかどうかは 決めてくだされば、今度開腹する それで
 挿し木は晩熟を迎える。酒を好んだ。静寂にもなれない生殖細胞の誰か


自由詩 金魚草の死に目 Copyright あらい 2021-11-29 21:41:43
notebook Home 戻る