冬に向かって
ミナト 螢

冬に向かって息を吐くと
答えが返って来るのに
それを読むことは出来ない

誰かが私の本を
借りてしまったように

冬は長くて
マフラーをきっと折り曲げる

街を歩けば
イヤフォンの中身が
誰かと入れ替わるまで
笑えない気がして

私は私なのに
どんなあみだくじ
引いてやろうか


自由詩 冬に向かって Copyright ミナト 螢 2021-11-28 19:25:50
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