淡水死魚の小骨
あらい

厚紙の病院ではやさぐれた傷みが 長椅子に寝そべり仮眠を取る

肋角の一粒を重ね冬季の余韻を造る 乳白色のシャッターが少し

補聴器を合わせたパンプスが ネオンサインにお喋りする瞬きに

行為は返り咲き好意になる可能性を秘めて 晴天の霹靂を待つ君

サンシェードに木漏れ日が泡沫を輝かせ スクリーンに映し出す

明日を省みて自虐する装填を 標準に戻した溺れた金魚花火とか

この掌に乗り込んだ舟の重みなんて全部 自由で居て蠱毒のイロ

なおらない撥条を着飾らせ指先に沈む 不快な釘は錆びて寂しい


自由詩 淡水死魚の小骨 Copyright あらい 2021-11-27 20:32:34
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