風の世紀の黎明
ジム・プリマス

なんだか頼りない陽射しと
元気のない雲の勢いに
初秋の余韻を感じながら
病院の帰り道、車を走らせる
散らかった部屋に戻り
グラスに残った生温い
箱買いしたカフェオレの
残りを飲み干す
夏が終わったこの季節
物寂しい想いを抱くのは
何故だろう
電子タバコの煙を吸い込んで
白い煙を口から吹き出して
アルカロイドが
身体に浸透するのを待つ
霊感が訪れるのを期待しながら
今日は六番目のシナプスは
うまく繋がらないようだ
風の世紀の訪れが早まるか遅れるか
今の段階では予測しかねている
この先の衆院選の結果、如何で
まだどうなるか、今はわからない
ただ、どちらにせよ
世界はいずれ変化する
その確信は自分の中にある
十五年来のメル友から
久しぶりに連絡があった
それも、ただの偶然とは思えない
今、彼女が登場したことにも
何か、意味があるのだろう
風の世紀の黎明の闇は
まだ明けない


自由詩 風の世紀の黎明 Copyright ジム・プリマス 2021-09-18 12:46:07
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