黄金
ひだかたけし

西の空が晴れた夕暮れには
宵の明星が黄金に輝き
地上から仰ぎ見るそれは
宇宙の高貴を惜しみなく放つ

この星に生まれ
過ごした日々は
ただただ眩暈
余りに早く遠去かり
余りに遠く奥まって
現の本性すら
掴めない
圧倒的なイマージュに
曝され生きて刻一刻
終点から反り返る
霊気に満ちた光景が
終いの生に木霊する

東の空が晴れた夜明けには
明けの明星が黄金に輝き
地上から仰ぎ見るそれは
宇宙の高貴を惜しみなく放つ






自由詩 黄金 Copyright ひだかたけし 2021-09-06 12:30:50
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