人間と鳩と生ゴミと
石田とわ
もともと弱っていたのか
怪我をしていたのか
詳しくはわからないが
知り合いが土鳩を踏んでしまった
まだ息はあるが瀕死の状態で
飛ぶことも叶わない
鳥獣保護管理担当や保険所へ
対応の仕方を聞いてみるが
どこも答えはおなじだった
「ゴミ袋に入れて生ゴミに出してください」
まだ生きている鳩を
生ゴミに出せという
土鳩は見てくれる獣医もいないので
仕方がないのだという
道の脇によけておくようにというなら
まだわかるのだ
自然に生きる者の運命なのだと
それが命なのだと
救えない命もあるのだと
けれどまだ息のあるものを
ゴミに出す
それは許されていいことなのだろうか
知り合いがその場所に戻った時
鳩はすでに誰かの手によって
片付けられていた