ガソリン
茶殻

さよならは立体
永遠は水平線

入道雲が雪になるまでを
年中ずっと追いかけてみたい

口笛はおれんじいろ
油絵はノクターン

軍歌のリズムで革命を歌い
鯨のパズルを完成させる

結んだのか縺れただけなのか
僕はいったい何に腹を立てているのか

虚しさが招く明日を蹴飛ばして蹴飛ばして
太陽の灰が毒を注ぐ

星新一のショートショートの一つを思い出しながら
皮肉で皮肉を洗っていく

渦を巻く反射熱と首を冷やす襟足の汗
目の前にある飯をデジタルに捉えることで流し込む酷暑の夏

参考書のインストールを体が拒んだ日がたしかにあった
シャープペンシルを握る安心感ばかりが時計を進めていた十代を思う


自由詩 ガソリン Copyright 茶殻 2021-06-30 02:26:04
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