千年風化
帆場蔵人



いつか風のあきらめが訪れた
としても僕らが滅びたあとで

なにも伝わらないから頬をつたうのだ

アーガイル柄の床の軋み
 骨格があちらからこちら
  誰だってそうなんだろう
   標本になるまで踏まれた

現実にだれもが宿を借りているから
マンホールにだれかがそこにすんでいて
ホールケーキが齧りすてられるばかり

   あきらめと痕跡、喰い散らかされた葉っぱ
  からのぞく水玉模様の水たまり歩く蝸牛は
 忘却に閉じたまなじりを二枚貝のかたわれ
が偲んでいる、砂のなかはあたたかすぎた



ひろいあげてください、ふりはらいながら
そのしろさがかなしみの測量なんだって
どこにもかかれてないことわりばかり

 頬にふれた風はいつから現実に宿っていたのか
 ここからそこ、あちらまで、どこまでだろうか
 きっとはかりかたをわすれてたちつくしている

傘はない割れた皿からもれおちていく

 そんなものをうけとめるためよりも
 りょうのてのひらにはめがやどって
 ぱくりぱくりひかりもやみものんだ

   そして見上げていた

風よ、もう傍らで

 ねむればいいんだ

お前の手触りは犬に似て猫に似て
どれでもない、はざわりの音たち
傘はあった骨の折れたしがないね



          千鳥格子に水の回廊が
千年をかけて築かれたそうですよ、骨が折れ積みあがり
            書き殴るまでもない
なぶられたことばゴミ箱をゆりかごにして
           うえからしたへしたからうえへ
せせらぎ死に水を横流しする奴ら
           その痛みまで横取りするな、散れ

(ひろいあげてください、ふりはらいながら)

  きょうからあすへあしたからきょうへ
  きのうからおとついへみずのかいろう
  だれもがせんねんをいきわすれたから

おしえてあげてください、なにもかも、わすれて



それでも、あきらめはこない、風骨の琴線をさぐろう



わすれさられた椅子はしあわせだ

しあわせで泡のようにはじけても

帽子をかぶっていてもすきにして

ストライプだ水玉だって寝そべり

終わりの日と待ち合わせしている


自由詩 千年風化 Copyright 帆場蔵人 2021-06-28 22:51:42
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