白昼
はるな



風や街、ビル、文字、感情はあり、
選ばれたものと、選ばれていないものが
ひと筋の線で隔てられる今日、
たしかに時間も空間も存在し、
ざらざらと触れることさえ出来る
空の自動販売機、乾燥した花屋、
そこかしこに捨てられた名前
ステンレス、猫、看板や流行色、電波も
ここにあり、経過し続ける、失われゆくすべてのものが今ここに存在し、
ずるずると痛みさえする、するけれども
どんなに探しても、みつめても、
私だけどこにもいないのだった



自由詩 白昼 Copyright はるな 2021-06-24 13:31:20
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