ディスタンス
たいら

六畳の寝室
手を伸ばせば届くはずなのに
銀河の端と端ほど
離れてしまったかのようだ

そうなると手を伸ばすことも億劫で
無言の背中を眺めるだけ

産まれた意味だとか生きる意味だとか
小難しいことを考えるようになった
そうでもしなければ空白の時間は埋まらない
静かな夜に殺されてしまう

胸の苦しさも
止まない耳鳴りも
いつか融ける日が来るのなら
春を待つ蟲のように
長い夜も
埋まらぬ距離も
何とかやり過ごせますように。


自由詩 ディスタンス Copyright たいら 2021-06-07 08:47:24
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