倒れていた日
番田 

海を見つめながら砂漠のことを考えているのだ。海は目の前に確かに存在するのだが。砂漠を歩き疲れて倒れた僕は昔のことを歩き疲れた体の中で思い出させられていた。でも、家を出るときは健康そのものだったあの日。戻ることはそして、できない今。心の中を戻ることで、僕はあの日であることを感じようとする。何かを得ることは、本当は何かを失っていくことだと気がついている、失うことで、確かに、得ることを。


自由詩 倒れていた日 Copyright 番田  2021-06-03 01:37:15
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