無色の嘆き
st

オレの名前は無色という
ちょっと変わった
名前だ

みんなオレの事を
わかっているようで

ぜんぜんわかっていない

例えば
プラスチックやペットボトルのごみ出しに

無色透明か無色半透明の袋に入れろと
バカな奴がわめいているが

そんな名前の袋が

この世界にあると思ったら
オオマチガイ

ウソだと思うなら
WEBを検索してみろよ

無色透明や無色半透明の袋なんて
どこを探してもみつからないさ

袋を販売する業者は

オレの本当の事を
どうやら知っているようだ

有色無色は色みがあるかないかで

白黒グレーのように
色味のないものを無色というのだ

どうだ!
驚いただろう

日本語の仲間のなかでも
わかりにくいというのが

オレの自慢さ

無色なんて言葉を
袋の名前に

つけられるわけがないだろう

この世界にある袋の名前は
透明や半透明ばかり

当たり前さ

無知をさらして
無色透明か無色半透明の袋に入れろとは

あきれて
ものが言えない

オレの事が
全くわかっていない

バカな奴らが

多すぎる







自由詩 無色の嘆き Copyright st 2021-05-27 07:35:23
notebook Home 戻る