おしいれ
TwoRivers

かくれんぼでもないのに
おしいれに入る

大人になった僕だって
泣きたい日はあるから
おしいれに入る

布団の柔らかい重み
心地よい苦しさ

そのうち僕は
安心して眠ってしまう

母は知っていた
僕の居場所

午後六時

僕を起こした
優しい声
柔らかい西日
夕飯の匂い

目覚めた僕は
ゆっくりとはっきりと
大人になった

答えはきっと
ずっとそこにあった


自由詩 おしいれ Copyright TwoRivers 2021-05-24 21:22:59
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