安達太良山
Giovanni
それから
一人きりの
安達太良山
空気が
薄くなり
シングル
エンジンが
かたかた喘ぐ
荷物が揺れる
夏だというのに
どこまでも寒い
ジャケットが
じっとり濡れる
本当の空
なんて
一体どこに
あるのやら
白い波のような
湿った空気の間を
あっぷあっぷと
縫うように
往くばかりだ
自由詩
安達太良山
Copyright
Giovanni
2021-05-20 19:45:12