回る
Giovanni

高原に
凍てつく
朝が来た

一人幕内で
くるくる回る
ストーブファンを
見ていると
僕の記憶の底に
ひっそり息を潜める
誰も知らない淀みの闇が
音を立てて
回り始める
そんな気がして
ジャケットの襟元を
きゅっと絞った

それから
地の底で眠る
無数の化石した
生き物たちの
奥底に眠る
もはや
開かれることのない
暗い夢を思った

さ ご飯にしようか
じきに 日も出て
暖かくなる








自由詩 回る Copyright Giovanni 2021-04-11 06:31:48
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