時間が
こたきひろし

時間がやって来て通り過ぎていく
その絶え間ない繰り返し
川にたとえられる筈だな

その川の水面に筏浮かべて
放心してた

筏を組んだ木は
川原に打ち上げられて干からびてたもの
水を得た魚みたいに
息を吹き返した

何処へ行こう
何処へ帰ろう

筏は意思を持たない
櫓を漕いで
向こう岸に渡ろう

向こう岸の先は
切り立つ
岩肌

山鳥がないて
風が哭き出した

時間がやって来て
通り過ぎていく

わたしはいったい
何ものか


自由詩 時間が Copyright こたきひろし 2021-04-03 10:19:02
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