馬鹿ども
墨晶

 あれほど罵り合った間柄なのだが

 こうして休日、我々は

 ともにビールを飲みつつ

 肉ジャガを喰っている

 なるほど

 いちいち飲み方が気に入らない

 喰い方だって文句が滅法思い浮かぶ

 それにしても、しかし

「ねえこれ、誰が作ったの? とても美味いけど」

(××ちゃん作、よ)

「え? ××ちゃんなの?」

「へえ、腕を上げたじゃない」

(馬鹿云うわね。あんたら食べてたのはみんなずっと××ちゃん作よ)

 我々は無言になった

 残り汁の洋カラシが効いた
 
 


自由詩 馬鹿ども Copyright 墨晶 2021-03-28 18:16:41
notebook Home 戻る