し
やまうちあつし
し
を待つ人が
落ち着かないのはなぜだろう
それはおそらく
どこからやってくるのか
見当がつかないからだ
そしてまた
どんな姿をしているか
想像するのが難しいからだ
し
を待つ人はそれゆえに
おおいに恐れ
心のどこかで待望する
予測のつくものは
し
ではない
自ら扱いを決められるものは
し
ではない
光に向かう虫のように
それを探す
けれどもそれはかなわない
がっくりと膝をつき
途方に暮れる
その後姿に
し
が宿る
自由詩
し
Copyright
やまうちあつし
2021-03-27 08:14:46
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