フラッシュバック
大覚アキラ

通り過ぎる車のライト
棘のように
瞼に突き刺さって抜けない

つめたい耳朶に
くちびるを寄せる

わたしは
誰でもなく
ここは
何処でもない

通り過ぎた車のテールランプの
深い紅色
重い闇に溶けて
もう
消えた


自由詩 フラッシュバック Copyright 大覚アキラ 2005-04-22 11:27:46
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