見えないゴミ屋敷
余韻

仮にそれが作られたものであっても そのすべてが紛い物であったとしても
美しいと感じたこの心は紛れもなく真実といえよう

見えないゴミ屋敷 地下水まで潜り込んで
この手は刃こぼれ知らずの剣 石垣だろうと鉄屑だろうと
ぶち当たったものすべて 言葉で葬る

生い茂った雑念 不審火程度じゃ冷めたままの心
誰かが破り捨てた紙切れでもいいよ きっかけにさえなれば

見えないゴミ屋敷 無残な死体の山 どれも同じ面
何の違和感もないというのなら そっと触れてみよう
そして昨日までの痛みと悲しみを思い知るがいい

この世はゴミ屋敷 あの世もゴミ屋敷 見えないゴミ屋敷

見えないゴミ屋敷 無意識で作った巨大な砂の城
昨日の自分に明日の自分に売りつけようものなら
売約済みのプレート剥がして叩き壊せ

楽しくたっていいよ 悲しくたっていいよ
楽あれば苦ありってそういう意味じゃないのだろうけど
そのすべてを集約させようか この手で言葉で葬る


自由詩 見えないゴミ屋敷 Copyright 余韻 2021-03-11 18:41:23
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