海のパース
新染因循


海よりもとおい海の
浜辺には声の真空があり
水と石だけがきざまれて在る

列島の等高線をきりおとして
おんなたちは口々に
あれが星の曲率なのだとささやく

だがひとえに言ってしまえば
彼女らもまた
遠近法のパースの直線だ

 くずれていくのはいつも
 ちかい という言葉からだ
 どこまでいけばいいのだろうか

時計の針はすきとおり
水泡のなかになにもかもを なげ
またおんなたちがささやいている

わたしは青ざめ
枯れた汗は燃え上がり
波音のふるえだけがたしかだ


自由詩 海のパース Copyright 新染因循 2021-02-25 00:27:03縦
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