ふるえる光
塔野夏子

光が ふるえている
小さくかすかな光が ふるえている

君の中の
青く昏い場所
小さくかすかな光は
自らの源を知らず
また何を照らすのか知らず
小さくかすかなまま ふるえている

そして君は気づいている
君がもっと深く暗い闇に
ひたされていたあいだも
その小さくかすかな光は
ふるえながらありつづけていたのだ

今では君は知っている
もっと明るい光も もっとたしかな光も
君自らがあらたな光を
ともすことさえできるかもしれない

けれど君は気づいている
君の心が憩うのは その小さくかすかで
源も知らず照らすものも知らず
ふるえる光のほとりだと



自由詩 ふるえる光 Copyright 塔野夏子 2021-02-19 13:46:35
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