交わらない線
ベンジャミン

{引用=二本の線が近づくとき

強くひかれあう
お互いをただ求めれば
いつか交わり 
やがて離れてゆくもの

けして交わることのない平行に引かれた
二本の線は淋しそうな隙間をのぞかせている
けれど
その隙間を埋めるように限界まで近づけば
お互いはその距離を保ちながら
けして離れてゆくことなく
まるで
太くしっかりとした
一本の線のようにいつまでも
伸び続けることができる

そんなふうに

並んで歩く公園の道
これ以上縮まりようもない距離を
交わらずに進む
僕らは
同じ道を寄り添って歩いている

そんなふうに

ずっと
歩いてゆける

  

      


自由詩 交わらない線 Copyright ベンジャミン 2005-04-20 04:35:35
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