針葉樹街
asagohan

針葉樹は
規則正しく並んでた。
土に触れると
乾いた音たてた。

スコップは
あっけなくささった。
根が通っていない
がらんどうの土の暗闇へ

かつて
繁茂していたものは
下から取り替えられて
入れ替わった無機質な生命力は
都会のビルのように
見下ろした。

深い影から
スコップは掘り当てた。
目を瞑ろうとした甲虫が
紫色に
煌めくのを。


自由詩 針葉樹街 Copyright asagohan 2020-12-24 23:26:29
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