揺れ積もる
浮蜘蛛

朝起きたら、雪が降っていた。

小さい窓の、下の方には、結露があり。
その上の、細長い窓から外を見ると。
白い点の様な雪が、わずかしかない風に
揺られて。
揺られながら、空を舞っている。

朝の雪。

その日、一日の始まりの一時(いっとき)。

細長い窓から、
ゆらゆらゆらゆら、
揺れる、雪を見ている。

なぜだろう。
わたしはそこに、何か意味を持たせようとする。
その雪がゆらゆらゆらゆら揺れていることに。
何か、意味を持たせようと、してみる。

そのゆらぎは、ごくわずかな風と、ほんの小さな点
のような粉雪。
その二つが生み出した、ゆらぎだ。

たくさんの塵のような粉雪を見ながら。

わたしは、ゆらぎに意味など、ないんだろうと、
思い直す。

小さな粉雪は、
ゆらいで、ゆらいで。
屋根や道路や、車や、庭木の枝に、落ちて。
白く降り積もった、雪となる。

朝日が、
降り積もった、真っ白な雪を照らした。

朝日が、その降り積もった白の凹凸に、
濃淡を生んだ。

白い盛り上がりと、凹んだ部分には灰色のような、影。


細長い窓を見ると、ゆらゆらゆらゆら、粉雪がゆれながら、
空を舞っている。

小さな粉雪が、
集まって濃淡を生んだ。

小さな、小さな、粉雪が。
集まって、濃淡を、生んだ。


自由詩 揺れ積もる Copyright 浮蜘蛛 2020-12-22 19:51:40
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