帰る所を失った者は
こたきひろし

サヨクではなかった
かと言ってウヨクにもなれなかった
左でも右でもないなら
真ん中か?と
聞かれても
解答にに窮した

あっちでもなければ
こっちでもなく
そっちでもなかったから
あの男は馬鹿だと思われているに違いなかった

だけど
そんな馬鹿が大半なのだ
この世の中は

馬鹿がうようよしている
そんな馬鹿な奴らをを支配し
自分たちの都合のいいように利用して
利益を鷲掴みにしてしまうのは
言わずと知れた
数の限られた利口な奴らだ

俺はただの馬鹿だ
選ばれて馬鹿になった訳じゃない
利口に選ばれなかったのは確かなだけだった

フクザツな世の中だ
ザツな世の中なのだ

若い頃
俺は反戦詩を書いていた
戦争の悲惨さや
平和の尊さを紙に書いていた

本当は何も知らないくせに
痛くも痒くもないくせに

もっともらしく書いていた
書いていた

俺はインチキ野郎だった
俺はインチキ野郎だった

















自由詩 帰る所を失った者は Copyright こたきひろし 2020-12-01 23:49:35
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