こがらしと温もり
道草次郎

こがらしや袖でミラーを拭きし恋

寒風のとえにはたえや砂の色

空風からかぜの上州廻りに馬具にほふ

くらき夜の背わたごそりとぬすまれり

夕凍ゆうしみの剥がれし孤獨つと落ちぬ

いたる火を吹きけし来たり隙間風

しぐるるや橋をいなせば長堤ながつつみ

冬の空ふゆの海すら空の下

有り難き電気毛布や滝の壷

湯冷めして思ひつくまゝ星めぐり


俳句 こがらしと温もり Copyright 道草次郎 2020-11-11 21:56:02
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