足元に熱
犬飼敬

あまり
このまんま消えちゃってもとひかる針で潰した汗疱の冠

ノコノコもキノコもはじく虹色になれる薬を煮てるグルグル

無敵のひとになりたいねって虹色のデコトラ2人でくっついて寝る

ここにいていいよの所だけ抜いてタブロこんなに膨らむなんて

うなずかないで言葉でくらい1人を溶かした純粋な紙を食べたい

私って書くときの不慣れな感じは画数のせいだと知る秋に

熱をくれるなら足元に 指先は燃えるしまぶたじゃ光りすぎる

さみしいを書くとき音符ばかりとは気づかれないはずの吹き出し

爪先は氷の女王から盗んだ靴で自首は4月に

遠くから近付かないで散らないで命のバラホワイト飲みなよ

伸びゆくことに誰も文句は言えない膨らみかけのヘルペス触る

背に合わせ目のあるシャツ 肩幅の*1が救われてゆきぬ

シャクガは息に逆らって飛ぶ 地下は明るく嬉しい


*1 あまり



短歌 足元に熱 Copyright 犬飼敬 2020-11-11 20:13:46
notebook Home 戻る  過去 未来