湖畔と菌糸
道草次郎

糸くずの
ふりかかる
だまった湖面に
傾斜した
クレセント・ムーン
代入される

みぎも左もわからぬ
夜来の湧出ゆうしゅつ

妖精により
ひもとかれたプリズムは
夜の底へ
ゆれながら沈み

高らかな天の喇叭も
森の耳には
吃音で
根をおろすものは皆
光蘚ヒカリゴケシンフォニー交響詩
汐時を
スライスする

万場の喝采
交感された地下の平和が
また
いっそう
その奥行をます



自由詩 湖畔と菌糸 Copyright 道草次郎 2020-11-09 15:50:23
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幻想の詩群