若気の至りとは言わない
こたきひろし

仕事終わって家に帰れたら
明日の仕事に差し支えないつもりで呑み始めたが
つい酒の量が度を超えた

それでも呑みたりなくて
呑み続けたら
酒が切れた

切れたら繋ぐしかない 
 ビールでも焼酎でも何でもかまわないから、アルコールが入ったもの買って来てくれ
と嫁さんに頼んだら
 今夜はこれでお終いにしたら
と嫁さんが止めたから
 いいから買って来い お前は俺の言う事聞けないのか 誰のお陰で暮らしていられると思っているんだ!
普段は大人しいのに酒の勢いで怒鳴ってしまった

そしたらすやすや眠ってた筈の まだ一歳の娘が目をさまし火がついたみたいに泣き出した 
 まったくうるさいんだよ! さっさと泣き止ませろ!お前は母親だろうが!
と暴言を吐いてしまった


父ちゃんが悪いんじゃない
お酒がキチガイ水なだけ 父ちゃんが悪いんじゃないから

子供の頃
父親は酒に酔うと見境なく暴れる人だった

母親も子供らも嵐が去って父親が眠るのをじっと待つしかなかった

なのに俺も父親みたいになっちまたのか

父親みたいになっちまたのか
悲劇を繰り返し


自由詩 若気の至りとは言わない Copyright こたきひろし 2020-10-13 23:46:29
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