春へつづく季節
道草次郎

風にたむろした 光を
手掴みしたら 雪になる
今年の正月は 暮れやすかった
そんな 冬でした

秋が落とした 請求書は
来春払えたら と傷口へ手紙します
離散したのです
笑って下さい そんな話です

春は うどんこ病を防除して
絵本の
読み聞かせ講座
に通うつもりです
誓えることは
今は これしきの嘘

日に日に近付く冬の足音に
竦む 剥き身です
そろそろ
セーターでも
懐手して洟をすすって
番茶を啜る

ほころんだら 桜餅でも食うでしょう
むやみに 祈らず
且つ 落ち込まず
そっと
風を 羽織ったりなど
して


自由詩 春へつづく季節 Copyright 道草次郎 2020-10-09 21:45:52
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